博物館展示論(MB601-MS06)

(Museum Exhibition)
基本情報
授業科目区分 単位数 コマ数 開講時期 科目コード 必要授業時間外学習時間
学芸員養成課程・ 博物館に関する科目・ 講義科目 2 15 3年次  後期 60時間
担当教員 所属講座・研究室 連絡先等
●中村 元 wolfguy@msg.biglobe.ne.jp
実務経験のある教員
資格取得コースとの関係
教職課程
学芸員養成課程 博物館法および博物館法施行規則に定める授業科目
食品衛生管理者・監視員資格
自然再生士補
授業の目的 学習・教育目標との対応

 日本の博物館展示はカスタマーズ起点の考えが希薄で、どこまでもサプライヤー起点である。また古参学芸員の多くが古典的なハイカルチャー施設への指向が高く、博物館施設をマスカルチャー施設としてとらえた運営ができずにいるため、利用者の減少を止められずにいる。とりわけ水族館・動物園では、展示の方向性が「子どもへの科学教育」への指向が強く、「全ての世代の知的好奇心を起こし満足させる」という博物館に求められている重要な目的が果たされていない。博物館展示において学芸員が成すべきことは、一人でも多くの観覧者を集客できる展示、一つでも多く1秒でも長く興味を持たせ好奇心を起こさせる展示の開発と運営である。
 本授業においては主に水族館をテーマに、①観覧者の行動と心理を起点とした展示の知識を持ち、②生物の命を展示するということの覚悟と責任を学び、③マスカルチャーとしての展示開発および運営ができるようになり、④社会的に影響力のある展示を研究開発できるスキルを身につけることで、利用者が多く社会に影響を与えられる水族館博物館施設を運営できる学芸員を養成することを目的とする。

A: 多面的思考能力
B: 自然科学の基礎知識・理論
C: 専門分野の知識・技術
D: 問題解決能力
E: 実務能力
F: コミュニケーション能力
G: 技術者倫理
H: 継続的学習能力
授業の概要(内容・方法)

(1)博物館展示の意義
 1.展示の本質 2.展示の意義 3.水族館の歴史と社会性

(2)展示のデザイン
 1.顧客起点の展示 2.水族館展示の諸形態 3.ショーの諸形態

(3)展示の実践技術
 1.価値の高い水族館開発の進め方 2.展示効果の高い展示開発の進め方 3.水槽製作の実践的知識

(4)解説のデザイン(グラフィック解説)
1.解説の目的 2.利用される解説 3.解説づくりの実践

(5)解説のデザイン(グラフィック外)
 1.グラフィック外の解説方法開発 2.解説員による解説/体験学習による解説

(6)定期試験

教科書・参考書
書名 著者・編者 出版社 値段(円)
教科書 「水族館哲学・人生が変わる30館」 中村 元著 文春文庫 890
参考書 いただきますの水族館 中村 元・山内 創 瀬戸内人 1,400
学生の到達目標 学習・教育
目標との対応
1. 博物館展示における顧客起点を理解し対応できる思想を持つ。 目標AC
2. 博物館および展示物の持つ情報が社会に影響を与えられる可能性を理解する。 目標AC
3. 様々な展示を顧客起点で評価し、改善および新展示の開発を研究できる知識と技術を習得する。 目標BCDE
4. 利用者の多い水族館、観覧率の高い水槽展示を実践できる知識を習得する。 目標CDEG
5. 利用率が高く、伝える力の強い解説をつくる知識と技術を習得する。 目標CEF
到達度の評価
評価方法・評価基準・フィードバックの方法

総合レポート(ラボ改修計画基本構想)  [100%]

評価基準: 北里大ラボ周辺に水族館施設を計画する水族館構想の作成をレポートとする。水族館(博物館)の展示開発において、一般的な大衆にどのようにして知的好奇心 を芽生えさせ、情報を伝えることができるのか。①講義内容の理解度の高さと、②実現するための具体的手法の習得および発想力を評価の基準とする。
フィードバックの方法: レポートに対するコメントを付して返却
学習支援情報・その他注意等
  1. 特になし
授業計画
実施項目 各回の学習内容と学習課題
1

博物館展示の意義
1.展示の本質

1)展示のデザイン総論
2)展示の本質/学芸員は展示係

【予習】

「水族館哲学・人生が変わる30館」を読んでおくこと

【復習】

講義内容の復習と整理

2

博物館の意義

2.展示の意義

3)水族館の本質
4)命を展示することの意味と覚悟

【予習】

「水族館哲学・人生が変わる30館」を読んでおくこと

【復習】

講義内容の復習と整理

3

博物館の意義

3.水族館の歴史と社会性

5)水族館の歴史/ハイカルチャーからマスカルチャーへ
6)社会教育施設としての水族館、博物館

【予習】

「水族館哲学・人生が変わる30館」を読んでおくこと

【復習】

講義内容の復習と整理

4

展示のデザイン
1.展示による施設利用の促進

1)カスタマーズ起点:人はなぜ水族館を利用するのか/水族館の魅力『水塊』と『知的好奇心』

【予習】

講義内容の予習と復習

【復習】

手近な水族館を訪問し、観覧者の行動を観察

5

展示のデザイン

2.水族館展示の諸形態

2)水族館の展示理念および、展示水槽の歴史と変遷

【予習】

講義内容の予習と復習

【復習】

手近な水族館を訪問し、観覧者の行動を観察

6

展示のデザイン

3.ショーの諸形態

3)ショーの歴史と変遷 / 社会の興味の変遷

【予習】

講義内容の予習と復習

【復習】

手近な水族館を訪問し、観覧者の行動を観察

7

展示の実践技術
1.価値の高い水族館開発の進め方

1)利用される水族館開発の思想と手順:マーケティング~基本構想~展示理念~展示計画

【予習】

「サンシャイン水族館」もしくは「新江ノ島水族館」を客側の視点により見学視察のこと

【復習】

講義内容の復習

8

展示の実践技術

2.展示効果の高い展示開発の進め方

2)効果ある展示を開発する思想と手順:展示計画~テーマ~具体案~実験

【予習】

「サンシャイン水族館」もしくは「新江ノ島水族館」を客側の視点により見学視察のこと

【復習】

講義内容の復習

9

展示の実践技術

3.水槽製作の実践的知識

3)展示効果を最大にする水槽開発の手法と技術:模型づくり/専門業者(工事、水槽設備、擬岩、色、照明)

【予習】

「サンシャイン水族館」もしくは「新江ノ島水族館」を客側の視点により見学視察のこと

【復習】

講義内容の復習

10

解説のデザイン(グラフィック解説)
1.解説の目的

1)解説の目的と事例/利用されない解説と利用される解説

【予習】

解説したい水族館生物についての資料を持参

【復習】

読ませる解説を自主製作

11

解説のデザイン(グラフィック解説)
2.利用される解説

2)読ませる解説の重要ポイント

【予習】

解説したい水族館生物についての資料を持参

【復習】

読ませる解説を自主製作

12

解説のデザイン(グラフィック解説)
3.解説づくりの実践

3)解説づくり実践ワークショップ

【予習】

解説したい水族館生物についての資料を持参

【復習】

読ませる解説を自主製作

13

解説のデザイン
1.グラフィック外の解説方法開発

1)グラフィック以外の展示手法の形態:標本展示・メディアによる展示

【予習】

講義内容の予習と復習

【復習】

講義内容の予習と復習

14

解説のデザイン

2.解説員による解説/体験学習による解説

2)解説員の直接対話による解説

【予習】

講義内容の予習と復習

【復習】

講義内容の予習と復習

15

解説のデザイン

3.体験学習による解説

3)体験学習のあり方

【予習】

講義内容の予習と復習

【復習】

講義内容の予習と復習

(定期試験)